ピリカ ショートストーリー #10

ずっと放置してしまってましたブログですが💧

 

昨日とても辛い出来事がありました。

ピリカーさんなら必ず知っているであろう【たろう】さん。

それはもう毎日ゴミ拾いをコツコツコツコツコツコシコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ(←間違い探し)それもタバコをたっくさん拾って下さってます。みんなからは【たろう師匠】と呼ばれているくらい、本当に驚愕の本数を拾ってくれているんです。

そのたろう師匠に向かってTwitterで心無い書き込みがされているとの事。

 

ゴミ拾いをしていると、喜んで貰えたり、お礼の声掛けをして貰えることの方が多いですが、時にこうした攻撃に遭います。

 

私も【偽善者】扱いを受けたことしばしば。

悲しいことです。

 

さて、そんなたろうさんが拾ってくれてるルートの中に八尾の【桜ヶ丘公園】があります。

そこに少し前までゴジラの滑り台がありました。


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今は2代目ゴジラがいます。


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そんなたろうさんと、ゴジラのストーリー。

 

ゴミ拾いをしてくれている仲間や、傷付いたたろう師匠が少しでも元気になりますように。。。

 

 

 

『八尾島たろう』

 

むかしむかし、心優しい八尾島たろうと言う男がいました。

たろうはいつも公園や駅前のゴミを拾っていました。

今日も公園に行ってみると、いい大人達がゴジラを取り囲んで、タバコをポイポイ捨てているではありませんか。

 

公園のゴジラはたまらず叫びました。

「やめて下さい!タバコを捨てないで下さい!」


ゴジラのくせにうるせぇぞ!どこに捨てようがわしらの勝手じゃ!」


「ここへ捨てても誰かが勝手に掃除しよるわい!」

 

ゴジラの目にはうっすら涙が。
見かねてたろうは男達に声をかけました。


「これこれ。ゴジラくんをいじめてはいけませんよ?ほら、このよっちゃんイカの当たりをあげるから」
男達はよっちゃんイカの当たりを握りしめ喜んで帰っていきました。

 

「たろうさん、ありがとうございました。」


ゴジラは大きな体をペコペコさせてたろうにお礼をいいました。
「このご恩は一生忘れません」

 

そのやり取りを見ていたさっきまでタバコを捨てていた一人の男。
「おやおや。この展開はまさしくアレではないか。」

 

 

次の日からこの男は、たろうに変装して公園のタバコを拾い始めました。


「まだか?まだ来んのか?」
男はキョロキョロし、何かを企んでいる様子。


そこへ………

「たろうさん、たろうさん。あの時助けていただいたゴジラです。お礼がしとうございます。どうぞ私の背中へお乗り下さい。」

 

―――しめしめ。来よった来よった。


「そんな、わざわざお礼なぞよいのに」
そういうや否や男はゴジラの背中へ飛び乗りました。

 

たろうもどきを乗せたゴジラはドッシンドッシン歩きます。

そして深い深い森の中へ入って行きました。
生い茂った木々がパーっと開けた草原に、ネオンギラギラなド派手なお城が。

 

「おぉ。これが竜宮城だな。」
「たろうさん、ここは恐竜城です。」


奥からは着飾った姫がやって来ました。
「ウホッ♡あれが乙姫だな♡」

 

「だろぢゃーん。うちとこのゴジラ助けてくれておおぎになぁ♡」


胸には大きな虎の顔がプリントされたドレス、頭は紫色のパンチパーマ、酒やけしたかのようなガラガラ声の怪獣みたいな姫様がたろうもどきに抱きつきました。

 

―――ヒィーーー!何や思てたんと違うぞ………(@_@)


たろうもどきはその日から、毎日毎日粉もんを振る舞われ、毎晩毎晩河内音頭の舞を見せられました。

 

 

こうして何日が過ぎたでしょうか。


「姫さんよ、わしはそろそろ帰ろうと思う。」


そう言ってたろうもどきは図々しく手を出した。
「アンダ、ぢゃっかりしどんな。ほなごれ持て帰りぃ」

 

「ほほぉ。これが玉手箱か」


たろうもどきはド派手な黄色い箱を受け取りました。
「ぢゃうで。ごれはスーパー玉出箱言うんやで」

「なんやそれ?」

「あんだ、もうすぐ1円セール始まんで!?」

 

「玉手箱か玉出箱かなんやしらんけど、これさえもうたらこっちのもんや!おばはんには用はないわい!」

 

たろうもどきはスーパー玉出箱を抱え、来た時と同じように、ゴジラの背中にひょいと飛び乗り公園へと戻ってきた。

 

「さぁ。昔話では煙が出て爺さんになったと聞いたが、この包みは随分と重たいぞ。宝物に違いない」

 

たろうもどきはベンチに座るとそそくさと包みを開けた。
すると中からもくもくと煙が。

「ゲホッゴホッゴホッ 何じゃこりゃ!!」

包みの中にはたくさんの吸殻と、そしてそのたばこの煙が勢いよく吹き出した。

 

「たろうもどきさん。あなたはたくさんの吸殻を拾ってくれましたね。でも、それをまとめて側溝に投げ入れてらした。見てご覧なさい。」

 

ゴジラの指差す方を見ると本物のたろうさんが側溝からちりとりいっぱいの吸殻を拾って、近くを通る子供連れの家族に「ほらぁψ(`∇´)ψ」と見せ、ちょっぴり悪そうに驚かせていました。

 

「あれが本物のたろうさん。ボクを助けてくれた人です。そして毎日たくさんの吸殻を拾ってくれている人です。乙姫様からのお礼はちゃんとたろうさんに届けますから。」


ゴジラはたろうもどきに一睨みきかせると森へと帰っていきました。

 

 

さてさて。本物のたろうと言えば。


たくさんの吸殻を拾った後はコンビニでいつものよっちゃんイカを買うのが日課

 

「当たるかなぁ?«٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク」
そぉっと袋を開けると。。。
「やったぁー!三日連続当たりやー!!」
たろうは小さな幸せにご機嫌で帰っていきました。

 

その姿をレジのおばちゃんは目を細めて見ていました。
「さぁ、そろそろあがって下さいね」
コンビニの店長がおばちゃんに声をかけます。

 

「あ゛ーい゛」
おばちゃんが制服を脱ぐと、デッカイ虎の顔のプリントTシャツ。見ると頭は紫のパンチパーマ。。。
名札には【乙川姫子】と書いてあります。

 

「だろぢゃん。いづもいづもおおぎになぁ。」

 

桜ヶ丘公園のゴジラは、今日もたろうさんや八尾のちびっ子達を見守っています。

 

おしまい。

 

 

♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥

いつも驚愕の本数をピリカしてくれるたろうさん(*^^*)
たろうさんに、拾ったタバコの数程の幸せが
たくさん降り注ぎますように。。。

 

 

 

 

スーパー玉出】 大阪にある24時間営業のド派手なスーパー。きっと、大阪でしか成り立たない(笑)f:id:ykk4580:20190831120333j:image

 

ちなみに店内もド派手

恐竜城はこんな感じだったのでしょう(笑)



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一円セールが有名です😁